【第97回】「アキレス腱断裂」について【2018年11月】

今回は「アキレス腱(けん)断裂」についてお話しします。アキレス腱は足関節後方にあるふくらはぎから伸びる腱で、体の中では一番太い腱です。踏み込みやダッシュなどふくらはぎの筋肉が急に収縮したり、伸ばされるときにアキレス腱断裂が発生します。腱の老化や微細な損傷が基盤にあると考えられ、若年者の受傷はまれで30~50歳くらいで久しぶりに運動した場合などに多く発生します。
  受傷時は「棒でたたかれた感じ」や「ブチッと音がした」などと言う方が多く、すぐには動けません。しばらくすると歩けることが多いですが、爪先立ちできないのが特徴です。断裂がひどいとアキレス腱部が陥凹して、素人の方でも断裂しているのが分かりますが、陥凹がはっきりしない場合もあります。
  治療はほとんどの場合手術が選択されますが、年齢、合併症など装具、ギプスによる保存療法の場合もあります。予防は運動前の十分なストレッチと普段からの適度な運動が効果的です。痛めたかなと思ったら、すぐの受診をお勧めします。