【第63回】複合性局所疼痛症候群について(その2)【2016年1月】

 今回は、複合性局所疼痛(とうつう)症候群(CRPS)の治療についてお話しします。まず薬物療法ですが、痛みと浮腫が持続するため、これを軽減するステロイド剤の内服があります。ただ低容量では効果がないため、かなりの高容量の服用が必要です。症状によって次第に減量してきますが、糖尿病の方は服用が困難です。
 また、ステロイドと局所麻酔剤を静脈注射する場合もあります。その他には、ワクシニアウイルス接種家兔(やと)炎症皮膚抽出液の内服や、プレガバリンの内服も効果があるとの報告があります。また、上肢のCRPSには腕に行く神経のブロック(腕神経叢=そう=ブロック)や下肢では腰部硬膜外ブロックが有効な場合もあります。
 リハビリとしては、温水と冷水に交互に漬ける温冷交代浴やマッサージ、自動他動可動域訓練の方法がありますが、症状、発症してからの時期にもよりますので、どの治療方法がいいか主治医に相談するのがいいでしょう。