【第55回】「手指の変形」について【2015年5月】

 「最近指が腫れてきて動きにくいんです」と言って来院される方がおられます。皆さん一番気になっているのが「リウマチじゃないですか?」ということです。実際のところ、多くの方は、指の軟骨がすり減ってきた「変形性関節症」で、一番先の第1関節(DIP関節)に生じるのが、「へバーデン結節」、第2関節(PIP関節)に生じるのを「ブシャール結節」といいます。
 治療としては、局所の安静(テーピングや固定)、消炎鎮痛剤の内服、外用で、痛みの強いときは少量のステロイド剤の関節内注射を行います。「関節リウマチ」の腫脹(しゅちょう)はPIP関節が多く、左右両側の多くの指が腫れることがほとんどです。また変形性関節症の腫れは、ゴツゴツした感じの腫れなのに対して、関節リウマチの腫れはボワーっとした感じで腫れることが多いです。関節リウマチの場合はどんどん進行して、関節破壊がひどくなるので、専用の薬の服用が必要となります。気になる場合は一度整形外科を受診しましょう。