【第56回】「体重と関節の痛みについて」【2015年6月】

 関節には体重のかかる「荷重関節」とかからない「非荷重関節」があります。前者は股関節、膝関節、足関節など主に脚の関節であり、後者は肩関節、肘関節、手関節などの腕の関節が多いです。荷重関節は非荷重関節に比べ、体重がかかるために軟骨がすり減り、痛みが出やすいです。ジャンプ系の激しいスポーツなどをしている人では、若くても変形性関節症になっている方もおられます。
 関節痛で一番患者数が多いのは膝関節ですが、多くの方は理想体重よりも体重オーバーです。やはり、体重が重ければ重いほど軟骨がすり減ります。一つの例ですが、膝が痛くて毎週注射に来られていた患者さんがいました。ある時、おなかを悪くして10キロ近く痩せてしまったそうです。その後、膝の痛みは減少し、一度も注射をせずにリハビリのみで加療しています。減量は、患者さん自身でできる治療法です。荷重関節が痛くて体重が多いなと思われる方は、頑張って減量してみましょう。痛みが変わるはずです。