【第53回】「外用薬との上手な付き合い方(その1)」【2015年3月】

今回は、湿布、塗り薬といった外用薬のお話です。外用薬とは、その名の通り体の外から作用させる薬です。内服薬は口から飲んで胃腸で吸収された後、血中に入り全身に回ることによって作用するのですが、湿布、塗り薬は皮膚の上から直接患部に吸収されることにより作用します。従って、胃腸障害もなく、肝臓、腎臓に優しい薬です。患部での組織内濃度のみ上昇し、血中濃度はほとんど上昇しません。
 ただ、体のあちこちが痛いとか、激しい痛みで鎮痛効果を強く求めたいときには限界があり、内服薬や、外用でも粘膜から吸収される座薬が勧められます。従って局所的な痛みや打撲による痛みなどは外用薬が適しているといえます。
 また、湿布でも昔ながらの布製のパップ剤や、非常に薄く粘着性のいいテープ剤などが出てきており、塗り薬も油脂を含む軟こうや、乳剤性のクリーム、ほとんど水のようなローションなど多様化しております。次回は、適材適所の使い方などお話しします。