【第52回】「古傷が痛む」【2015年2月】

寒くなると「古傷が痛む」方がおられます。古傷とは以前の怪我で一見正常に治っているようですが、組織の血流が悪化していたり、筋肉が固くなっているものです。気温が下がってくると血管が収縮しやすくなって血流低下が起こり、筋肉も柔軟性が落ちてくるので、古傷のあるところではそれが顕著に現れます。また、天気が悪くなるときに痛くなることもあります。それは低気圧のために気圧が下がるので、交感神経が活発になりアドレナリンやノルアドレナリンが分泌され、それが古傷周囲の血管を収縮させて痛みの神経を刺激するとも言われています。
 治療としては、血流を改善させるために暖めたり、緊張を改善するようにマッサージなどが効果的です。温泉が効果的なのも血行を促進するという意味から一理あります。もし痛みが強い場合は内服薬や外用薬、リハビリが効果的なので一度整形外科医に相談するのがいいでしょう。