【第46回】「足首の捻挫」について【2014年8月】

今回は、足関節の捻挫についてお話しします。足関節が内側にひねられることによって、外側の側副靭帯(じんたい)が伸ばされ受傷します。靭帯の断裂がごくわずかか、断裂がなく関節包など周囲の組織が痛んでいるものを1度の損傷、靭帯の部分断裂を2度、完全断裂を3度の損傷と言います。症状として疼痛(とうつう)はもちろん、2度、3度の損傷になれば腫脹(しゅちょう)、内出血を伴うことが多いです。特に内くるぶしのところが痛い場合は足関節がぐらぐらで、内くるぶしと距骨(きょこつ)という骨が当たった証拠なので3度の損傷がほとんどです。
 受傷後はまず応急処置(ライス療法)をしますが、その後の治療として1度は、消炎鎮痛剤の内服や外用薬、程度によっては軽い固定を行います。2度、3度ではギプスによる固定、3度の損傷で不安定性が強い、スポーツをしている若い方の場合は手術を行うことが多いです。2度、3度の損傷を放っておくと軟骨がちびて、将来的に変形性の足関節症になりやすいともいわれています。痛みや腫脹の強い場合は早期に整形外科を受診しましょう。