【第47回】「痛風」について(その1)【2014年9月】

 今回は、風が吹いても痛いともいわれる「痛風」についてお話しします。痛風発作とは体の中に「尿酸」がたまりすぎて起こる痛みのことで、痛みがなく尿酸値が7.0mg/dlより高い場合は「高尿酸血症」といわれます。
 尿酸値が高いとなぜいけないかというと、尿酸結晶が組織に沈着して痛みを出したり、動脈硬化を進行させて心筋梗塞や脳卒中の危険を高くします。また、尿酸の結晶が腎臓に沈着すると腎障害が起こり、最悪の場合は透析が必要になることもあります。
 発作の痛みもさまざまで、激痛を伴うこともあれば、ごくわずかな痛みの人もいます。痛みの部位で代表的なのは、足の親指の付け根ですが、足首、膝、手首、肘、まれに耳たぶに生じることもあります。「足の親指ではないから痛風じゃないや」と思わずに、赤く腫れて痛みがある場合は早めに整形外科を受診しましょう。次回は、痛風の予防、治療についてお話しします。