【第45回】「腰の疲労骨折について」(その2)【2014年7月】

 今回は、「腰椎分離症」の治療についてです。前回お話ししましたが、分離症は骨折なので癒合(くっ付くこと)する場合もあります。ただしそれは、発症早期の場合で、腰椎が動かないように、腰にギプスを巻いたり、固いプラスチックの装具を着けたりする必要があります。何もせずに自然に癒合することはまずありません。
 発症から時間がたっている状態では癒合する確率が低いため、痛みが強い場合は手術が必要となります。分離部をきれいに掃除し、骨盤の骨を移植してスクリューやワイヤで固定します。手術から数カ月が経過した後、癒合が順調であれば徐々にスポーツを許可することができます。
 ただ、分離症があるから絶対手術が必要というわけではありません。内服薬や外用薬、ブロック注射で痛みをコントロールでき、スポーツができる場合もあります。主治医の先生とよく相談をして、その方にとって一番いい治療法を選択することが重要です。