【第33回】膝の半月板損傷について(その2)【2013年7月】

 今回は半月板損傷の治療についてお話しします。治療には保存的に経過を見るものと、膝に関節鏡というカメラを入れて手術的に処置するものがあります。
 破れがひどくない場合は、消炎鎮痛剤の内服に加え、ヒアルロン酸の関節内注射で痛みが取れることも多いです。ヒアルロン酸といえば、軟骨がちびたときに使うと思われがちですが、半月板損傷に対しても除痛効果があることが証明されています。しかし、破れが大きい場合や、どうしても痛みが続く場合は関節鏡の出番です。関節鏡は1センチ弱皮膚を切るぐらいで挿入できるので、手術後の痛みも少ないです。破れている場所や程度により、半月板を取ってしまう「切除」という場合と、くっ付ける処置をする「縫合」という場合があり、どちらが適しているかは実際に関節鏡で膝の中を見てみないと判断できません。
 執刀医の先生が一番適している方法を取ってくれますので、後は術後のリハビリを頑張りましょう。