【第27回】 「骨質」って何?【2013年1月】

骨粗しょう症とは、骨がもろくなって骨折しやすくなる病気で、女性の場合、閉経後に急に発症、進行しやすくなってきます。ところで最近、骨の量(骨密度)以外に骨の質、「骨質」が注目されるようになってきました。骨質が悪いと、骨密度は十分あるのに骨折しやすくなります。すなわち、骨の強度は骨密度と骨質両方で成り立っているのです。
 骨の成分はカルシウムが主ですが、他にコラーゲンというタンパク質も含まれます。このコラーゲン分子が結合して、「コラーゲン架橋」を形成しますが、これには善玉と悪玉があります。善玉架橋が多いと骨が丈夫になり柔軟性が高まるのに比べ、悪玉架橋が多くなると骨がただ硬くなり、柔軟性が低下、外力によって骨折しやすい状態になります。今のところ骨質を正確に把握する測定方法がないため、治療によって改善したという指標がないのが現状です。骨質改善の手助けをするという薬物も出てきましたので、一度、主治医に相談してみるといいでしょう。