【第26回】テニス肘について【2012年12月】

 今回はテニス肘についてお話しします。テニスをしている人に多く発生するのですが、別名「上腕骨外上顆(じょうか)炎」とも言い、肘の外側の出っ張っているところに付着する腱(けん)の炎症です。しかし、ひどくなると腱が微細に断裂するといわれています。症状は物を持ったり、手に力を入れると肘に痛みが走ります。ひどい場合は手を握ることができなくなります。
 治療方法は、手を使わないようにするのが一番ですが、なかなか難しいので、消炎鎮痛剤の内服や、外用剤を使います。ひどくなればステロイド剤と局所麻酔剤の注射がありますが、頻回にできるものではありません。また自分でできることで有効なのがアイシングです。ケーキを持ち帰るときなどに入っている小さい保冷剤を冷やしておき、肘に当てて包帯で巻き、保冷剤が溶けるまでの時間がちょうどいいアイシング時間です。直接皮膚に当てると痛い人は包帯を少し巻いた上に保冷剤をのせて巻くといいでしょう。ひどくなると治るのに時間がかかるので早めの受診を勧めます。