【第25回】腱鞘炎について【2012年11月】

今日は腱鞘(けんしょう)炎についてお話しします。腱鞘炎とは指を動かす腱が腱鞘というトンネルでこすれて炎症を起こすものです。最も多いのは親指の付け根で起きるもので、親指を動かすと痛いこともあれば、曲げると引っ掛かって動かなくなる場合もあります。無理に伸ばすとガクっと伸びることから「バネ指」とも言われます。もちろん他の指でも起きますが、手首でも起きることがあります。これは「ドケルバン病」と呼ばれ、親指を外へ動かす腱が炎症を起こします。特徴は引っ掛かりがなく、痛みがバネ指より強いことが多いです。治療はどちらも消炎鎮痛剤の内服や、外用剤の使用、マッサージなどを行いますが、痛みが強いときはステロイド剤と麻酔剤の腱鞘内への注射を行います。ただ副作用もありますので、漫然と連用することはできません。症状がひどくなってから治療をしても痛みがなかなか引かないので、あまり我慢をせず早めに受診するといいでしょう。