【第21回】 ヒアルロン酸の注射について【2012年7月】

 今回は整形外科で行うヒアルロン酸の注射についてお話しします。最も多く使用されているのは変形性膝(しつ)関節症と、四十肩でおなじみの肩関節周囲炎に対する関節内注射です。前者は、ヒアルロン酸の潤滑作用により関節軟骨の保護を目的とするもので、後者は抗炎症作用により疼痛(とうつう)を軽減する目的です。また、その抗炎症作用によって半月板損傷、腱靱帯(けんじんたい)付着部の炎症にも効果がありますが保険適用はありません。
 以前は炎症を抑える注射といえばステロイド剤でしたが、スポーツ選手の場合には、ドーピング検査で陽性反応が出ることがあります。ヒアルロン酸ならその心配もなく使えるので、スポーツ選手にはいい薬剤といえます。最近では、分子量がより高度で粘度の高い製品も出ましたが、現在では3回までしか注射できず、またその後、他のヒアルロン酸の注射も認められていないため使用は限定されます。自分の痛みに対してヒアルロン酸が使えるのか、一度専門医に相談するのもいいでしょう。