【第19回】 手のしびれについて【2012年5月】

 今回は、手のしびれについてお話しします。手のしびれを引き起こすものには、脊髄、末梢(まっしょう)神経が原因のものや、脳卒中などがあります。脊髄では首の骨が変形して神経に触る場合や、変性した椎間板が原因のヘルニアがあります。それに対して、末梢神経では肘のところで尺骨神経が圧迫される「肘部(ちゅうぶ)管症候群」、手首で正中神経が圧迫される「手根管症候群」があります。前者では手の薬指、小指や前腕の小指側がしびれたり、小指の付け根の筋肉が痩せてくることがあります。それに対して、後者の「手根管症候群」では、親指、人さし指、中指がしびれ、進行すれば親指の付け根の筋肉が萎縮することが特徴です。
 痛みがない場合はすぐに病院で受診しない方も多いのですが、治療が遅れると、萎縮した筋肉の回復が困難な場合もあります。また、脳卒中は手遅れになると命にかかわることもあるので、たかがしびれだけと軽く考えずに、専門医を受診することが大切です。