【第13回】 年を取ったら腰は曲がるもの?【2011年11月】

 「最近腰が曲がってきて、困ります」という患者さんが時々おられます。その原因は、加齢とともに背骨が変形したり、背骨自体がつぶれる圧迫骨折などがあります。その一方で背骨を支える腹筋と背筋の筋力の低下によって腰が曲がることもあります。背骨を支えるには特に背筋の筋力が大事になります。ある日、80代の男性患者さんが、「腰が曲がって歩けん。もう一回自転車にも乗ってみたいき、なんとかしてや」と、訪ねて来られました。ご高齢にもかかわらず熱心に腹筋背筋のリハビリをされた結果、自転車に乗れるまでにはなりませんでしたが、「先生、歩きやすうなった、もうここに通ってこんでもいいわ」と喜んで帰られました。ただ、腰の神経の通り道が狭くなる「腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症」では、腰を伸ばすことにより、神経の圧迫が強くなるので注意が必要です。自分の腰は伸びる腰なのか、一度主治医の先生に相談するのもいいですね。