【第3回】 膝の水を抜くとクセになる【2011年1月】

よく患者さんから「先生、水は抜かんとってよ。クセになるき」という質問があります。正常の膝にも多少の関節液(水)は存在します。関節の炎症が強くなると、関節液が増加します。増加した液は、膝の袋にある滑膜を刺激し、さらに増えるという報告もあります。もちろん大量に関節液がたまると、膝がパンパンに腫れるので痛みも出ます。従って、注射のときに針を刺すついでといっては何ですが、液を入れる前に水を抜く方が、膝のためにはいいといえます。膝の炎症が強いときは、一度抜いただけでは水はなくなりません。炎症がなくなるには時間がかかるため、また水がたまることがあります。一度水を抜くとクセになり、習慣になるのでは?と思われるかもしれませんが、これは炎症が残っていることによるもので、水を抜いたことが原因ではないのです。また、少量の水なら抜く必要もありませんので、水がたまっているときは主治医の先生に相談しましょう。