【第2回】 膝の注射は外側から内側から?【2010年12月】

前回は膝の注射がどのようなものかお話ししましたが、今回は患者さんからよく質問されることについてお話しします。一つは「先生、そこじゃない。痛いがは内側やき内側に刺さないかんろ?」という注射に関する疑問についてです。膝に注射するときは、外側から膝蓋(しつがい)骨(俗に言うお皿)と大腿(だいたい)骨の間で、関節の袋の中に行います。肩凝りや腰痛の注射は痛みのある局部にするのですが(局所注射)、膝の場合は関節の袋の中にするので(関節内注射)、内側からすることは少ないです。また、内側からでは反対の足が邪魔で注射をしにくいということもあります。ただし、座ったままでの注射は、膝蓋骨の下で膝の前方から行う場合もあります。袋の中に注射された薬剤は関節全体に回りますので、内側にも到達します。ですから、膝の外側から注射しても、薬剤は痛い内側で十分効果を発揮するのです。ご安心を。次回は、もう一つのよくある質問についてお話しします。