【第58回】ジャンパー膝(膝蓋腱炎)【2015年8月】

 今回は、「ジャンパー膝」についてお話しします。その名の通り、ジャンプ系のスポーツやダッシュをすることの多い方に起こりやすい膝周辺の痛みです。膝蓋(しつがい)骨(俗にいうお皿)の上下や、膝蓋骨の遠位にある膝蓋腱(けん)と脛骨(けいこつ)付着部が痛くなる場合があります。原因は使い過ぎ(すなわち過度の運動)が一番ですが、他にも筋力不足や、シューズの不適合、固過ぎたり柔らか過ぎる練習場も関係するといわれています。
 軽度では部分的な炎症ですが、重度になると微細な腱の断裂を生じるため、激痛で運動できなくなることもあります。痛みを感じたら、ジャンプ、ランニングなどの膝に負担のかかることを減らして、大腿(だいたい)四頭筋や大腿後面のハムストリングのストレッチを十分に行います。また消炎鎮痛剤の内服、外用薬の使用とアイシングも効果的です。痛みが治まってもストレッチとアイシングは再発防止に重要です。重症化すれば競技復帰も遅くなるため、早めに整形外科で受診しましょう。