【第39回】肩の筋が切れる(その2)【2014年1月】

 前回に引き続き今回は「腱板(けんばん)損傷」の治療についてお話しします。受傷直後は痛みが強い場合が多く、痛みのために肩を上げられないこともあります。その場合は、ステロイドと局所麻酔剤を肩の関節内に注射します。痛みが著明でない場合には、最初からヒアルロン酸という「潤滑油」を注射することもあります。そして、消炎鎮痛剤の内服、外用薬との併用によって除痛を図っていきます。ヒアルロン酸の注射を続けることにより痛みが治まってくると、多少腱板が切れていても肩を上げることができるようになる方が多いです。
 この時期に安静にし過ぎると、肩が固まってしまう「凍結肩」になる場合もあるので、痛みに応じて動かしたり、リハビリを行うことも重要です。ただ、痛みが長期間続いたり、回復せずどうしても肩が上がらない場合には、切れた腱板を上腕骨に縫い付ける「腱板縫合術」などの手術が必要です。どの治療がベストか、主治医に相談するのがいいでしょう。