【第10回】 五十肩って勝手に治るの?【2011年8月】

 肩の痛い患者さんが時々おっしゃるのが、「五十肩だから勝手に治ると思って放っておきました」「友達から、そのうち治るよ、と言われました」ということです。五十肩は正式には「肩関節周囲炎」といって、肩関節と周辺組織の炎症です。炎症なので、放っておいても炎症が沈静化すれば痛みはなくなりますが、やっかいなのは肩が動かなくなる「凍結肩」です。人間痛いと動かさなくなるのは当然のことで、肩を動かさないと固まってきます。特に日常生活では肩を一番上まで上げる動作は少ないので、知らないうちに関節が固まって動かなくなるのです。こうなると動くようにするのは大変で、理学療法士のリハビリで長い期間をかけないと動くようになりません。従って、痛みを感じたらあまり長期間放っておくのではなく、専門医に診てもらい飲み薬や貼り薬、必要ならヒアルロン酸という潤滑油を肩関節に注射して早めに治療することが望ましいです。