【第9回】 足のしびれについて【2011年7月】

今回は足のしびれる病気で一番多い「腰部脊柱管狭窄(きょうさく)症」についてお話しします。腰の神経は馬尾神経といって、そうめんのように細い神経です。この神経が周りの変形した骨で圧迫されると、いろんな症状が出ます。もちろん腰の痛みのこともありますし、神経は足の運動や知覚を取り仕切っていますから、足に力が入らなくなったり、触っている感じが鈍くなったり、また足が痛く感じることもあります。中には腰は全く痛くないのに足だけ痛いという方もおられます。それから歩いていると足がだるくなったり痛くなったりして、しゃがんで休むとまた歩けるという症状もあります。治療としては、内服薬、静脈注射などで楽になる方が多いですが、症状が進行し筋力低下がひどくなったり、歩行障害が強く出れば手術が必要になることもあります。神経の圧迫の程度はMRIで簡単に分かりますので、足がしびれて困るという方はぜひ専門医にご相談ください。