【第8回】 年がいっても骨元気【2011年6月】

 前回、年齢とともに骨密度が低下することをお話ししました。しかし、年齢が進んでも骨密度が低下していない人もいます。ある患者さんで80歳を超えているのに若い人より骨密度が高い女性がいました。疑問に思っていろいろお聞きしてみると、子供のとき、実家がお店をやっていて、おやつ代わりにいつも商品の煮干しをつまみ食いしていたということが分かりました。 これが骨密度が低下していない理由といえるかもしれません。最近の研究では、閉経前にできるだけカルシウムを摂取することが、閉経後の骨粗鬆(しょう)症予防につながるといわれています。過剰なカルシウム摂取は尿路結石などにもつながりますので、食事などで適切に摂取することが望ましいでしょう。ただし、閉経後にはカルシウムを摂取しても吸収が悪くなりますので、食事だけでなくカルシウム製剤も併せて服用することをお勧めします。元気な骨をつくるため、一度主治医の先生にご相談してみてください。