【第109回】「首が垂れる」について【2019年11月】

 今回は、首が上がらなくなることについてお話しします。「首下がり症候群」ともいわれます。初期の症状は肩凝りが多く、次第に頭が重たく感じ、ひどくなると頭を持ち上げると、頸(けい)背部に痛みを感じるようになります。下を向くことが多くなり、水を飲むのが困難になったり、歩きにくくなる場合もあります。
 頸椎は、頭板状筋、頸板状筋、頭半棘筋(きょくきん)、僧帽筋などで支えられていますが、これらの筋肉が異常に緊張したり、筋力低下が起きると、頭を支えることが困難になります。加齢によることが多いのですが、その場合はリハビリなどで、筋緊張をほぐしたり、筋力アップを図るようにすると、改善することが多いです。しかし、パーキンソン病や、うつ病、筋肉が異常に緊張し続ける「ジストニア」や、筋力自体が弱くなる「ミオパチー」などの病気のため起きる場合もあります。気になる方は一度早めの受診をお勧めします。