【第15回】 こむら返りについて【2012年1月】

「夜寝ているときに足がつって、痛くて眠れませんでした」というお話を、時々患者さんから聞くことがあります。これは「こむら返り」といわれるもので、正式には「有痛性筋けいれん」と呼ばれます。場所はふくらはぎが多いですが、時に太ももや足部にも起こります。体に病気のない人でも起きることがあり、特に加齢とともに増加することが多いです。原因は、運動不足、筋肉の疲労、脱水、電解質異常などいろいろあります。予防方法としては、ストレッチや、水分補給、正しい食生活などが挙げられますが、筋肉の緊張をほぐす薬や、漢方の内服も有効です。ただこむら返りは、糖尿病、肝臓病、腰の神経が圧迫される脊柱管狭窄(きょうさく)症や、首の椎間板ヘルニアでも起きることがあります。その場合は、原因となる疾患を治療しなければいけませんので、しばしば起きるようであれば、一度主治医の先生に相談してみるといいでしょう。