【第73回】「足底筋膜(腱膜)炎」について【2016年11月】

今回は足の裏が痛くなる「足底筋膜(腱膜=けんまく)炎」についてお話しします。足底筋膜はかかとの骨から起こり前足部に及ぶ厚い靭帯(じんたい)で、足底のアーチを保つのに重要です。朝、起床時の歩き始めに痛いということが多く、スポーツをしている方なら練習開始時に痛むことが多いです。痛い部位はかかとに近い部分が最も多く、次いで中央部(土踏まず)、前足部の順です。エックス線写真ではかかとの骨に骨棘(こつきょく)ができている場合もあります。
 治療として疼痛(とうつう)が強い場合は、消炎鎮痛剤の内服・外用や、時にステロイドの局所注射を行います。また低周波、レーザー治療、特殊な中敷きなどの治療も有効です。疼痛が多少減少すれば、ふくらはぎや足底部のストレッチも行いましょう。
 一方、手術療法もあり、オリンピック銀メダリストの某女性マラソンランナーは手術後復帰していますが、一般の方にはまず手術は行いません。痛みが続く場合や、朝痛くて足を着くことができないような場合は、早めの受診をお勧めします。