【第72回】「背骨が折れる」【2016年10月】

今回は、脊椎の圧迫骨折についてお話しします。多くの場合は骨粗しょう症で背骨の強度が低下しているところに、軽微な外力が加わって骨折します。転倒が一番多いのですが、背伸びをしたときとか、ラジオ体操をしていて折れたという方もおられるように、ちょっとしたことがきっかけになって、特に何もしていないのにいつの間にか痛くなったという場合もあります。
 治療の基本は固定(コルセット)です。基本的にプラスチックの固い装具を装着しますが、最初は「こんなのよう付けん」と言われる方が多いです。しかし、装着していると痛みが減少するので、皆さん「これを付けていると楽」と、きちんと装着されるようになります。
 脊椎は、一度骨折して変形してしまうと、他の場所も骨折しやすくなるといわれています。従って、次の骨折の発症を防ぐためにも変形を最小限に抑えることが重要です。受傷から時間がたつと変形も進行しますので、早めの受診をお勧めします。