【第30回】 「寝違え」について【2013年4月】

 「今朝起きてから、痛くて首が動きません」と言って来る方がおられます。俗に言う「寝違え」ですが、これは長時間にわたり頭部が不自然な姿勢で置かれたときに起こる頸部(けいぶ)の筋肉の炎症です。寝ているときに起こることが多いですが、長時間同じ姿勢で本を読んだり、テレビを見たりしても起こります。
 安静にしているだけでも数日で楽になりますが、消炎鎮痛剤、筋弛緩(しかん)剤などの内服薬、外用薬を使ったり、局所注射、レーザー、低周波などの物療をすれば少しでも早く楽になることが多いです。また、普段から頸部の筋肉のストレッチなどをして柔軟性を高めておけば寝違えになりにくいとも考えられています。
 ただ、寝違えと思っていても、頸部の椎間板ヘルニアや、骨が変形して神経に触る頸髄症の場合もあります。痛みが激しい場合や、腕のしびれ、痛みがある場合、なかなか痛みが取れない場合は早めに整形外科に相談してみましょう。