中内整形外科クリニック
高知市旭に開院した新しい整形外科クリニックです。
整形外科、リウマチ治療、リハビリテーション、スポーツ外傷など。
地域のかかりつけ医として、地域に根ざした医療を目指します。
健康アドバイス
毎日の暮らしに役立つ健康のこと、病気のことを分かりやすく説明します。
【第74回】「指の靭帯損傷」について
【2016年12月】
 今回は手指の靭帯損傷についてお話しします。「以前、指をぶつけて痛みと腫れが続いています」と言う患者さんが時々おられます。指の関節は「蝶番関節」といって一定方向にしか動きません。すなわち曲げることと伸ばすことしかできません。膝や肘関節も同じで、関節の側面に「側副靭帯」というものがあるためです。指をぶつけるなど、通常の関節の動く向き以外に強い力が加わると、側副靭帯が損傷します。
 部分的な損傷であれば多少横方向にぐらつきが出ます。指が90度くらい横を向くこともある完全断裂であれば、すぐに病院を受診する方がほとんどですが、部分断裂では「いつか治るだろう」と受傷後しばらくしてから受診する方が多いです。受傷後1カ月を過ぎると靭帯が伸びた状態でくっつくため、関節のぐらつきが残り、痛みも持続しやすいです。完全断裂では手術が必要ですが、部分断裂で受傷後すぐならテーピングできちんと治りますので、指をぶつけて痛みと腫れがある場合は、早めの受診をお勧めします。
【第73回】「足底筋膜(腱膜)炎」について
【2016年11月】
 今回は足の裏が痛くなる「足底筋膜(腱膜=けんまく)炎」についてお話しします。足底筋膜はかかとの骨から起こり前足部に及ぶ厚い靭帯(じんたい)で、足底のアーチを保つのに重要です。朝、起床時の歩き始めに痛いということが多く、スポーツをしている方なら練習開始時に痛むことが多いです。痛い部位はかかとに近い部分が最も多く、次いで中央部(土踏まず)、前足部の順です。エックス線写真ではかかとの骨に骨棘(こつきょく)ができている場合もあります。
 治療として疼痛(とうつう)が強い場合は、消炎鎮痛剤の内服・外用や、時にステロイドの局所注射を行います。また低周波、レーザー治療、特殊な中敷きなどの治療も有効です。疼痛が多少減少すれば、ふくらはぎや足底部のストレッチも行いましょう。
 一方、手術療法もあり、オリンピック銀メダリストの某女性マラソンランナーは手術後復帰していますが、一般の方にはまず手術は行いません。痛みが続く場合や、朝痛くて足を着くことができないような場合は、早めの受診をお勧めします。
【第72回】「背骨が折れる」
【2016年10月】
 今回は、脊椎の圧迫骨折についてお話しします。多くの場合は骨粗しょう症で背骨の強度が低下しているところに、軽微な外力が加わって骨折します。転倒が一番多いのですが、背伸びをしたときとか、ラジオ体操をしていて折れたという方もおられるように、ちょっとしたことがきっかけになって、特に何もしていないのにいつの間にか痛くなったという場合もあります。
 治療の基本は固定(コルセット)です。基本的にプラスチックの固い装具を装着しますが、最初は「こんなのよう付けん」と言われる方が多いです。しかし、装着していると痛みが減少するので、皆さん「これを付けていると楽」と、きちんと装着されるようになります。
 脊椎は、一度骨折して変形してしまうと、他の場所も骨折しやすくなるといわれています。従って、次の骨折の発症を防ぐためにも変形を最小限に抑えることが重要です。受傷から時間がたつと変形も進行しますので、早めの受診をお勧めします。
【第71回】「シンスプリント」について
【2016年9月】
 今回は、スポーツ障害である「シンスプリント」についてお話しします。陸上競技の長距離選手や、サッカー、バスケットボールなど走ることが多い競技に発生する、下腿(かたい)遠位内側の痛みです。軽い場合は運動後の痛みだけですが、ひどくなると歩行時にも痛くなり、安静にしていても痛みを感じるようになります。
 シンスプリントは過度の運動による脛骨(けいこつ)骨膜の炎症による痛みで、ランニングの量、質の急激な変化、扁平(へんぺい)足、足関節の柔軟性の低下、ショックを吸収できない古くなったシューズや硬過ぎるシューズの使用が原因といわれています。
 治療としては、アイシングや足関節、足底の筋力トレーニング、ストレッチングなどが有効です。ただ、痛みの場所が限局的で強い場合は、「脛骨疲労骨折」の可能性もありますので、痛みが長く続いたり、激しい場合は早めに整形外科で受診することをお勧めします。
【第70回】「クールダウン」について
【2016年8月】
 今回は運動後の「クールダウン」についてお話しします。クールダウンとは激しい運動の後、急に動きを止めてしまうのではなく、徐々に運動量を減らしていくことです。運動前に体を温めるために行うウオーミングアップとは逆の目的になります。
 方法としては、軽いランニングや、ウオーキング、ストレッチなどがあります。クールダウンにかける時間としては、10~15分ほどで十分だといえるでしょう。クールダウンをすることによって、運動中、筋肉内にたまった乳酸を、徐々に血流に乗せて排除することができます。また、急に運動をやめてしまうことは、心臓、肺、筋肉にも負担が大きいです。
 激しい運動が終わって「しんどい、もう動きたくない」と思うときもあるかもしれませんが、クールダウンをすることによって、その後の疲労感が減少するはずです。運動する際にはぜひ「ウオームアップ」と「クールダウン」を習慣にしてみてください。
【第69回】「ウオームアップ」ついて
【2016年7月】
 今回は運動前のウオームアップについてお話しします。ハイレベルで運動をされている方では常識ですが、レクリエーショナルレベルの方では行っていない方も多いと思います。
 いきなり激しい運動をすると、筋繊維を痛めたりして、十分な筋力を発揮することができません。そのため、まず体を温めるために、軽いウオーキングやジョギングを行います。その場での足踏み運動でも構いません。少し息が弾んで軽く汗ばむくらいで十分です。
 体が温まったら次はストレッチです。ストレッチには反動を使って行う「動的ストレッチ」と反動を使わずにゆっくり、じっくり十数秒伸ばして静止する「静的ストレッチ」があります。初心者の方は「静的ストレッチ」が適していますが、上級者や、より高度のストレッチを行う場合は「動的ストレッチ」が有効です。
 このウオームアップ中に肉体的も精神的にも「戦闘モード」に入っていければベストなパフォーマンスが発揮できます。次回は運動後のクールダウンについてお話しします。
【第68回】「変形性膝関節症」について(その2)
【2016年6月】
 前回は、急激に進行する変形性膝(しつ)関節症について説明しましたが、今回はその治療についてお話しします。痛みに対しては、通常の変形性膝関節症と同じで、消炎鎮痛剤の内服や関節内注射、リハビリなどですが、この病態ならではの治療もあります。
 人間の体には修復能力があるため、軟骨やその下の骨の血流が低下して虚血になっている場合でも、その部位に負荷がかかりにくくすれば、血行が回復することがあります。そのために健常な部位で体重を受けるようにする「足底板」を足の下に装着したり、つえを使ったりします。また、骨の強度が低下している場合は、骨の強度を上げる注射があります。週に1回皮下に打つ注射ですが、数回の注射で疼痛(とうつう)が著明に減少する方が多いです。
 通常、疼痛が減少しても磁気共鳴画像装置(MRI)で画像がほぼ正常になるまで、数カ月間は注射を継続することが望ましいです。膝の痛みでお悩みの方は、一度主治医の先生に相談してみてください。
【第67回】「変形性膝関節症」について(その1)
【2016年5月】
 今回は膝の軟骨がすり減る「変形性膝(しつ)関節症」についてお話しします。年齢とともに軟骨はすり減りますが、人によってはエックス線上ではあまりひどくないのに、激しい痛みを訴える患者さんもおられます。最近の研究では、そういう激しい痛みの中に、軟骨やその下の骨の血流が低下して虚血になっている場合や、骨の強度が低下して微細な骨折を起こしている場合があることが明らかになってきました。一般的に、軟骨は徐々に摩耗していきますが、この場合では変形のスピードが強く、短期間の間に、中期から末期の変形性膝関節症に移行することもあります。普通のレントゲンではわからないですが、磁気共鳴画像装置(MRI)では虚血や微細な骨折も発見できます。痛みが強い場合は、「年だから仕方がない」と考えずに、早めの受診をお勧めします。次回は治療についてお話しします。
【第66回】「ロコトレプラス」について
【2016年4月】
 前回、ロコモティブ症候群(運動器症候群、略称ロコモ)を予防する運動として、「ロコトレ」を紹介しましたが、今回はそれに加えて行うと効果のある「ロコトレプラス」についてお話しします。
 一つは両足を軽く開いてかかとを上げ下げする「カーフレイズ」です。ゆっくりかかとを上げ、ゆっくり下ろすことが重要で、10〜20回を1セットとして、1日1〜3セット行います。かかとを上げすぎると転倒の危険があるため、かかとは少し上げるだけでも結構です。
 もう一つは「フロントランジ」で、両脚から片方の脚を大きく前方に踏み出し、太ももが水平になるくらいに腰を深く下げます。その後踏み出した足を元に戻します。踏み出す方向は前方よりやや斜め前の方が安定しやすいです。5〜10回を1セットとして、これも1日1〜3セット行いますが、高齢の方は転倒に気を付けて何かにつかまって行うのがいいかもしれません。テレビを見ながらでもいいので、毎日続けてみて下さい。
【第65回】「ロコトレ」って何?
【2016年3月】
 今回は、老化を予防する「ロコトレ」についてお話しします。「ロコトレ」とはロコモティブシンドローム(ロコモ)を予防する、筋力とバランス能力向上のための運動です。
 一つは下肢筋力を高める「スクワット」。両足を肩幅程度に左右に開いて、ゆっくり腰を後ろに引きながら膝を90度ぐらいまで曲げ、その後ゆっくりと立ち上がるものです。1回10秒程度の時間で行い、1セット5〜10回(できれば15回)を1日2〜3セット行います。重要なことは膝が足の爪先から前に出ないことで、爪先から前に出ると膝を痛める原因になります。後ろへ転倒しないように、何かにつかまって行うのがいいでしょう。
 二つ目は目を開けたまま片足で1分間立つ「開眼片足立ち運動」です。左右それぞれ1分を1日2〜3回行いましょう。これにより転倒頻度が減少したとの研究結果もありますので、三日坊主にならないよう、毎日続けてみてください。
【第64回】新しい外用薬について
【2016年2月】
 今回は、新しい外用薬(湿布)についてお話しします。整形外科で使用する外用薬とは、経皮的に薬剤を組織に吸収させ、炎症を軽減するものです。今までの湿布は、痛い所に何枚でも貼ってその効果を高めていました。
 しかし、先月発売された湿布は、1日1回、最大2枚までという制約があります。それは湿布から組織への薬剤移行率が高く、関節内の滑膜や関節液での濃度が高まり、3枚以上貼るとその薬剤を内服した以上の組織濃度になるため、副作用の発現を防ぐ制限が設けられています。
 また、この湿布を使用する場合は、内服での消炎鎮痛剤も使用しないこととされています。それだけ効果はありそうですが、適用が「変形性関節症」のみであるため、単なる腰痛や筋肉痛には使用できません。自分の痛みに合う外用薬なのか、一度主治医に相談してみるのもいいでしょう。
【第63回】複合性局所疼痛症候群について(その2)
【2016年1月】
 今回は、複合性局所疼痛(とうつう)症候群(CRPS)の治療についてお話しします。まず薬物療法ですが、痛みと浮腫が持続するため、これを軽減するステロイド剤の内服があります。ただ低容量では効果がないため、かなりの高容量の服用が必要です。症状によって次第に減量してきますが、糖尿病の方は服用が困難です。
 また、ステロイドと局所麻酔剤を静脈注射する場合もあります。その他には、ワクシニアウイルス接種家兔(やと)炎症皮膚抽出液の内服や、プレガバリンの内服も効果があるとの報告があります。また、上肢のCRPSには腕に行く神経のブロック(腕神経叢=そう=ブロック)や下肢では腰部硬膜外ブロックが有効な場合もあります。
 リハビリとしては、温水と冷水に交互に漬ける温冷交代浴やマッサージ、自動他動可動域訓練の方法がありますが、症状、発症してからの時期にもよりますので、どの治療方法がいいか主治医に相談するのがいいでしょう。
医療法人 睦会 中内整形外科クリニック
【診療科目】整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科
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