中内整形外科クリニック
高知市旭に開院した新しい整形外科クリニックです。
整形外科、リウマチ治療、リハビリテーション、スポーツ外傷など。
地域のかかりつけ医として、地域に根ざした医療を目指します。
健康アドバイス
毎日の暮らしに役立つ健康のこと、病気のことを分かりやすく説明します。
【第97回】「アキレス腱断裂」について
【2018年11月】
 今回は「アキレス腱(けん)断裂」についてお話しします。アキレス腱は足関節後方にあるふくらはぎから伸びる腱で、体の中では一番太い腱です。踏み込みやダッシュなどふくらはぎの筋肉が急に収縮したり、伸ばされるときにアキレス腱断裂が発生します。腱の老化や微細な損傷が基盤にあると考えられ、若年者の受傷はまれで30~50歳くらいで久しぶりに運動した場合などに多く発生します。
  受傷時は「棒でたたかれた感じ」や「ブチッと音がした」などと言う方が多く、すぐには動けません。しばらくすると歩けることが多いですが、爪先立ちできないのが特徴です。断裂がひどいとアキレス腱部が陥凹して、素人の方でも断裂しているのが分かりますが、陥凹がはっきりしない場合もあります。
  治療はほとんどの場合手術が選択されますが、年齢、合併症など装具、ギプスによる保存療法の場合もあります。予防は運動前の十分なストレッチと普段からの適度な運動が効果的です。痛めたかなと思ったら、すぐの受診をお勧めします。
【第96回】「膝後十字靭帯損傷(断裂)」について
【2018年10月】
 今回は、膝の「後十字靭帯(じんたい)(PCL)損傷」についてお話しします。前回の前十字靭帯 (ACL)損傷がスポーツ選手など比較的若い世代に発生するのに対し、PCL損傷は高齢になっても損傷することが多く、むしろ高齢者の方が多い傾向があります。
  PCLは脛骨(けいこつ)が後方へ移動するのを制御する靭帯で、膝下に前方から力が加わると切れます。すなわち、膝からこけるような転倒が、最も多い受傷起点です。ただPCLは膝の後方の関節包に接しており、血流を受けやすいため、ACLと違って周辺の組織に癒着して治ることが多いのです。従って手術する人は少ないですが、靭帯が強度的にしっかりするまでは専用の装具を装着することが必要です。PCL損傷はACL損傷と違って膝の不安定性が分かりにくく、自覚されない方も多いのですが、膝をぶつけてなんか変だなと感じたら早めの受診をお勧めします。
【第95回】「膝前十字靭帯損傷(断裂)について」
【2018年9月】
 今回は膝の靭帯(じんたい)損傷の一つである、「前十字靭帯(ACL)損傷」についてお話しします。ACLは脛骨(けいこつ)が前方にずれないようにしたり、膝の回旋を制御する、膝のど真ん中にある靭帯で、断裂すると自然にくっつくことはごくまれです。
  スポーツ時での損傷がほとんどで、膝の過伸展や内旋で損傷しやすいとされています。損傷時に半月板損傷や骨挫傷を伴うこともあり、損傷したままではスポーツ復帰は難しいのが現実です。
  そのために手術が行われますが、膝の屈筋腱(けん)の1本を採取し、新しい靭帯として作る「靭帯再建術」が一般的です。ただ術後のリハビリがきついのと、競技復帰まで7~8カ月かかるため、アスリートレベルの方でないと手術適応にならない場合が多いです。ACLは切れていても日常生活にはほとんど不自由がありませんので、主治医とよく相談してみましょう。
【第94回】「特発性大腿骨頭壊死症」について
【2018年8月】
 今回は、股関節の痛みの一つである「特発性大腿骨頭壊死(だいたいこっとうえし)症」についてお話しします。大腿骨頭への血流が途絶え、骨が壊死して、軟骨と骨が陥没するのですが、原因ははっきりしておらず、原因不明という「特発性」となっております。ただ誘因としては、アルコールの飲み過ぎや、ステロイド剤の服用が挙げられますが、全くそれらに関係ない方でも発症することも多いです。国民的有名歌手であったH.Mさんや、俳優業を休止したK.Sさんもこの病気でした。
  初期にはエックス線では分からず、磁気共鳴画像装置(MRI)が診断の有効な方法です。壊死が部分的である場合は、骨の陥没も少なく、保存的に加療できる場合もあります。壊死が広範囲で骨頭の変形が強い場合は、痛みも増強するため、手術が必要になります。痛みは比較的急に発生することが多く、徐々に痛くなるということは少ないとされております。急な股関節の痛みが出た場合は、早めの受診がいいでしょう。
【第93回】「ガングリオン」について
【2018年7月】
 今回は「ガングリオン」についてお話しします。悪性腫瘍である「癌(がん)」ではありませんので、間違わないでください。ガングリオンは良性の腫瘍で、袋の中にゼリー状の内容物が入ったものです。好発部位は手関節や手が多く、足関節や、膝の半月板損傷のときに関節内に発生することもあります。
通常は痛みを伴いませんが、大きくなったり、近くの神経を圧迫したりすると痛みが出ます。痛みがない場合は経過観察でいいのですが、見た目が気になったり、痛みが出た場合は処置が必要です。
一番簡単な方法は針を刺して注射器で中身を吸引する「穿刺(せんし)法」です。ただこの場合、袋は残るので、また内容物がたまってくることもあります。力をかけてガングリオンを潰す「圧砕法」もあるのですが、潰すときにかなりの痛みを伴うので、通常は行われません。何回穿刺しても再発する場合は、手術で袋ごと摘出することが多いのですが、これもまれに再発することもあり、どの方法がいいのかは主治医と患者さんでの相談となります。
【第92回】「年を取ると背が縮む?」
【2018年6月】
 今回は身長についてのお話です。若い時に比べて身長が低くなったという方は多いのではないでしょうか。私も学生時代に比べ1センチは低くなっております。
 この原因は主に三つ考えられます。一つは頸椎(けいつい)7個、胸椎12個、腰椎5個ある背骨の間のクッション「椎間板」が変性して潰れるためです。もう一つは加齢により背骨を支えている腹筋や背筋が衰え、背中が丸まってくること。最後は背骨自体が潰れる「圧迫骨折」です。
 圧迫骨折では通常痛みを伴いますが、あまり痛みを感じない場合もあり「いつの間にか骨折」とも呼ばれます。筋力低下の場合は、リハビリで腹筋や背筋を鍛えることによって背筋(せすじ)が伸びることも多いですが、圧迫骨折の場合は早期の診断と治療が必要です。最近何か背が縮んだと感じたら早めに専門の医師を受診することをお勧めします。
【第91回】「膝内側側副靱帯損傷」について
【2018年5月】
 今回は膝の4本ある靭帯(じんたい)のうちで一番受傷することが多い「膝内側側副靱帯損傷」についてお話しします。この靭帯は膝が外反(外向きにくの字になる)することによって損傷します。
 多くの場合は大腿(だいたい)骨側の受傷であり、靭帯中央部や脛骨(けいこつ)側の受傷は極めてまれです。私もたくさんの患者さまを見てきましたが、脛骨側の損傷は1人しか見たことがありません。従って、痛みの場所も内側半月板損傷のときとは違い、少し膝上内側が多いです。
 以前は手術治療が行われてきましたが、最近ではほとんどの場合、ギプスや装具による保存療法で治ることが分かってきました。受傷後、時間が経過すれば靭帯が伸びた状態でくっつくため、膝の不安定感が残ります。膝をひねって痛みが出た場合は早めに専門の医師の受診をお勧めします。
【第90回】「頸椎後縦靭帯骨化症」について
【2018年4月】
 今回は「頸椎(けいつい)後縦靭帯(じんたい)骨化症」についてお話しします。後縦靭帯とは頸椎の後方にある靭帯で、それが肥厚、骨化することにより、脊髄を圧迫して症状が出ます。主な症状は頸部の凝り感、痛み、手足のしびれや細かいことができない(箸が使いにくい、字が書きにくい、ボタンが留めにくい)などですが、ひどくなると足が突っ張って歩きにくくなったりします。
 この骨化は非常にゆっくりとしか進行しないため、症状が出た場合には、脊髄の圧迫はかなり進んでいるということも多いです。骨化が著明であればエックス線で診断は容易ですが、骨化がはっきりしないときは、磁気共鳴画像装置(MRI)やコンピューター断層撮影装置(CT)の検査が有用です。MRIは脊髄の圧迫の程度、CTは骨化の大きさや範囲の描出に優れています。
 脊髄の圧迫が著明な場合は、頸椎への強い力(コンタクトスポーツや転倒など)により脊髄損傷につながることもあり注意が必要です。また、必ず継時的なフォローアップを忘れないようにしてください。
【第89回】「骨端線損傷」について
【2018年3月】
 今回は、子どもの外傷である「骨端線損傷」についてお話しします。「骨端線」とは骨をつくる部分で、軟骨でできています。従って、骨より強度が弱く傷んでしまうことがあります。足首をひねって、外くるぶしの骨端線を傷めたり、野球少年が投げ過ぎで上腕骨近位を傷めることもあります。
 強い外力が加われば、骨端線周囲の骨も骨折を起こしたり、骨端線の部分で大きく転位します。その場合はエックス線写真で分かりますが、軽度の損傷ではエックス線写真ではほとんど分かりません。磁気共鳴画像装置(MRI)では転位のない骨端線損傷も描出できるので有効です。
 エックス線写真では異常がないのに異常に腫れていたり、押すと痛みが強い場合は骨端線損傷の可能性が高いのでぜひMRI検査をお勧めします。また損傷の程度によっては骨の成長障害を起こすこともあるので、継時的なチェックが必要になることもあります。
【第88回】「湿布」について
【2018年2月】
 今回は「湿布」についてお話しします。湿布は昔からある第1世代の「冷湿布」「温湿布」、消炎鎮痛の成分を含んだ第2世代の湿布があります。その名の通り「冷湿布」はメントールなどの成分で貼った後に冷感を感じるものですが、実際にはアイシングほどの冷却効果はありません。外傷後に「湿布をして局所を冷やしました」という患者さんがおられますが、ひやっと感じただけで実際はそれほど冷やすことになっていません。それに対し「温湿布」は唐辛子エキスなどを含ませて、皮膚の温感点を刺激し血流改善を促すものです。実際には貼った局所の温度はあまり変わらないといわれています。
 第2世代の湿布は現在処方される湿布の多数を占めていますが、消炎鎮痛の成分を皮膚から吸収させることにより、局所の炎症を減らし、鎮痛効果を狙うものです。第2世代の湿布の中にも「温感」タイプも出てきており、症状によって使い分けが必要です。
【第87回】「腓骨神経まひ」について
【2018年1月】
 今回は、足首が動かなくなる(下垂足)原因の一つである「腓骨(ひこつ)神経まひ」についてお話しします。腓骨神経とは膝(しつ)関節の後方で坐骨(ざこつ)神経から分かれる神経で、膝外側後方にある骨の隆起「腓骨頭」の後方にあります。ここは神経の可動性が乏しく、さらに皮膚のすぐ下を神経が走行しているため、軽度の圧迫で容易にまひが生じます。
 例えば寝ているときに腓骨頭が物に当たっていたとか、長時間膝屈曲位でしゃがんでいて発症した方もおられます。症状としては、足首、足趾(そくし)が持ち上がらなくなり、しびれがあり、知覚が低下します。痛みがあることはまずありません。
 骨折、脱臼などの外傷や、腫瘍が原因の場合はすぐに手術が必要ですが、それ以外ではビタミンB12の内服や電気刺激による保存療法を行います。ただ、下垂足は「腰椎椎間板ヘルニア」や「脊柱管狭窄(きょうさく)症」などでも起こることがあります。足首に力が入りにくいと感じたら早めの受診をお勧めします。
医療法人 睦会 中内整形外科クリニック
【診療科目】整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科
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