中内整形外科クリニック
高知市旭に開院した新しい整形外科クリニックです。
整形外科、リウマチ治療、リハビリテーション、スポーツ外傷など。
地域のかかりつけ医として、地域に根ざした医療を目指します。
健康アドバイス
毎日の暮らしに役立つ健康のこと、病気のことを分かりやすく説明します。
【第85回】「筋肉がつく食べ物」って何?
【2017年11月】
 時々患者さんから質問を受けます。「年を取って運動もようせんき、食べるだけで筋肉のつくもんはないろうか?」
 筋肉は人間の骨格、関節をサポートするもので、筋力低下が起きると、関節は悪くなっていないのに痛みが出る場合があります。ただ、何もしないで食べたり飲んだりするだけでは、筋力アップにはつながりません。筋量、筋力は筋肉がトレーニングなどで破壊され、その部分を修復することによってもたらされるものです。
 従って筋トレ後に、タンパク質(アミノ酸)、適量な糖質、ビタミンなどを取れば筋肥大が加速し、筋肉がつくようになります。「けんど年やき、筋トレしても筋肉はつかんろう?」という思いもあるかもしれませんが、高齢になってからでも筋トレをすれば、確実に筋量、筋力はアップするという研究報告があります。まずは運動を、その後筋力がアップするサプリメントなどを取るというのが正しい方法です。
【第84回】「デ・ケルバン病」について
【2017年10月】
 今回は、腱鞘炎の一つである「デ・ケルバン病」についてお話しします。腱鞘炎といえば、親指の付け根に発症し、指が引っ掛かる「ばね指」が有名ですが、「デ・ケルバン病」は親指を伸ばす「短母指伸筋腱」と親指を広げる「長母指伸筋腱」が手関節の腱鞘(トンネル)で炎症を起こすものです。
 女性に多いのですが、特に授乳中の方に多く発生することがあります。赤ちゃんの頭を支える母指の動きが原因と思われますが、授乳中なので通常行う、投薬、ステロイドの腱鞘内注射はできません。症状の強い場合は手術になりますが、子育てで忙しく、それもまず困難です。「授乳が終われば薬が使えるのでまた来てくださいね」とお話ししますが、授乳が終了すると皆さん治るようで、実際のところ授乳後に治療が必要になる方はごくまれです。
 しかし、一般の方では薬が使えますので、あまり我慢をせず受診することをお勧めします。炎症がひどくなると、手術しても痛みが消失するのに時間がかかることがあるからです。
【第83回】「水分補給」について
【2017年9月】
 今回は、「水分補給」についてお話しします。今年の夏はいつも以上に暑く、喉の渇きを感じたことが多いと思います。人間は1日約2500ミリリットルの水分を体内から失います。内訳は尿が約1500ミリリットル、息や皮膚から約900ミリリットル、便から約100ミリリットルといわれますが、夏場は汗でさらに多くの水分が失われます。
そこで水分補給が必要となりますが、単に大量の水だけを飲めば体液のナトリウム濃度が薄まってしまい、それを補正するために尿や汗が多く出て体液不足を引き起こします。そのためスポーツドリンクのような体液濃度に近い物が開発されました。通常の水分補給であれば自動販売機で売っている物でいいですが、脱水状態になったときには「経口補水液」のような塩分濃度の高い物が、水分の吸収速度が速く効果的です。
水分補給は喉の渇きを感じてからでは遅いといわれています。熱中症防止のためにも、普段から小まめな水分補給を心掛けましょう。
【第82回】「マレット指(槌指)」について
【2017年8月】
 今回は指の外傷である「マレット指」についてお話しします。これは、指の先に物が当たって、指の第一関節(遠位指節間関節)が木槌(きづち)のように曲がって自力では伸ばすことができない状態です。
 原因は二つあり、一つは末節骨に付いている伸筋腱(けん)が骨から剥がれた状態(腱性マレット)、もう一つは末節骨の伸筋腱付着部が骨折している状態(骨性マレット)です。これを診断するにはエックス線検査が必要です。
 骨折がなければ、第一関節を伸ばした状態で装具を着けて治療しますが、約3カ月の固定が必要です。骨折のある場合は、骨片を元に戻してから第一関節をピンで固定する手術(石黒法)となります。骨性マレットの場合は痛みを伴いますのですぐに受診されることが多いですが、腱性マレットでは痛みのない場合も多く、受傷後しばらくして受診される場合もあります。受傷から時間がたち過ぎると、治療をしても第一関節の伸展制限が残りますので、指が曲がってなんか変だなと感じたら早めの受診をお勧めします。
【第81回】「内臓脂肪」と「皮下脂肪」
【2017年7月】
 今回は、「脂肪」についてお話しします。「内臓脂肪」とは腹部内や臓器、腸の周りに付くもので、一見痩せているように見える人でも蓄積していることがあります。それに対し「皮下脂肪」は皮膚の下の脂肪なので、蓄積すればぽっちゃり太って見えます。両者ともたまり過ぎるのは体にとって良くありません。
 「内臓脂肪」がたまり過ぎれば、「脂肪肝」に代表されるように臓器の働きが悪くなることがあります。「皮下脂肪」がたまり過ぎれば体重増加となり、「腰痛」や「変形性膝(しつ)関節症」の原因となります。この二つの脂肪を減少させるには、適量の食事と、適度な運動習慣が必要です。無理な減量は体調を崩しますし、ハードな運動はかえって腰痛や膝痛の原因となります。
 ただ、痩せ過ぎて「体脂肪率」が5%を切るようなアスリートは、感染症にかかりやすかったり、けがが治りにくいとの報告もあり、一概に脂肪を落とせばいいというものでもありません。適度な食事、運動で健康な体、痛みのない体を目指しましょう。
【第80回】「野球肘」について(その2)
【2017年6月】
 今回は、「野球肘」の診断と治療についてお話しします。前回、内側型、外側型、後方型というお話をしましたが、当然その部位を押すと痛みが出ます。また、肘を左右方向に動かす(ストレス検査)と、痛みが誘発されます。エックス線では初期の骨の白さがやや薄くなっている「透亮像」や、線が入った感じの「分離像」、進行して骨が離れた「遊離像」が見られます。磁気共鳴画像装置(MRI)ではエックス線で所見が出ない、ごく初期でも発見できることがあります。
 治療の基本は、「投球禁止」です。エックス線変化が見られる場合は3カ月以上の投球禁止が必要ですが、中には半年以上かかる場合もあります。できるだけ毎日のアイシングも行いましょう。骨が離れた遊離期では、手術によって分離した骨片を摘出したり、骨軟骨欠損のひどい場合は骨軟骨移植術も考慮されます。やはり進行してからでは、治療期間が長くなるため、肘が痛くなればできるだけ早期の受診をお勧めします。
【第79回】「野球肘」について(その1)
【2017年5月】
 「野球肘」は名前のごとく、野球などの投球動作によるオーバーユース(使い過ぎ)で発症します。成長期に軟骨、骨が障害を受けると、将来の「変形性関節症」につながります。内側型と外側型が多く、後方が痛くなる後方型も見られます。内側型は内側のけん引力によって、筋肉や内側側副靭帯(じんたい)の微細な損傷が起き、重傷になれば剝離骨折を生じます。外側型は外側部に圧迫力が加わり、微細骨折、骨軟骨の剝離(離断性骨軟骨炎)を生じます。後方型は伸展位で肘頭(ちゅうとう)にけん引力がかかり、疲労骨折になる場合があります。
 発症した子どもさんに投球数を聞くと、ほとんどが投げ過ぎです。日本臨床スポーツ医学会では、小学生の全力投球は1日50球、週200球以内に制限するよう提言しています。また、年間70試合を超えると野球肘の発生頻度が上昇するとの報告もありますが、1日50球以下の投球で発生した症例もあるので絶対安全とはいえません。指導者、親の心配りが必要と考えます。次回は診断、治療についてお話しします。
【第78回】「肩凝り」について(その2)
【2017年4月】
 今回は、筋肉の凝り以外の肩凝りについてお話しします。整形疾患としては頸椎(けいつい)の変形による「頸椎症」や、「頸椎椎間板ヘルニア」「頸髄症」、五十肩として有名な「肩関節周囲炎」も凝りを伴うことがあります。また、「高血圧」「うつ病」、ストレスも原因となります。
 最近多いのはパソコンやタブレット、スマートフォンのブルーライトを長時間浴びることによる「眼精疲労」です。また、近視、遠視によるものや、耳鼻科疾患、虫歯や歯槽膿漏(のうろう)など、歯科口腔(こうくう)内の原因もあります。こういう場合は、一生懸命凝りのほぐれる運動をしても原因となる疾患の治療をしない限り良くなりません。すごく肩の凝る方が、眼鏡の度数を直して凝りが消えたり、虫歯の治療が終わった途端凝りがなくなった、という話もよく聞きます。
 長期間凝りが続くときは、一度病院を受診して原因を探して治療してみましょう。
【第77回】「肩凝り」について(その1)
【2017年3月】
 今回は、悩んでいる方も多い「肩凝り」についてお話しします。その名の通り、肩や頸部(けいぶ)の筋肉の張った感じや痛みを伴うものですが、原因としては、首や背中の曲がった良くない姿勢や、長時間の同じ姿勢、運動不足や、冷房、今の季節なら寒さによるこわばりもあります。また精神的なストレスからの凝りもあります。
 予防としては、適度な運動や、同じ姿勢を長時間取らないこと、蒸しタオルやカイロで温めることが有効です。ただしカイロは低温やけどに注意してください。簡単な運動としては、腕を垂らしたまま肩を上下前後に動かすことや、手を組んで体の前から上に動かし背伸びをすること、また手を後ろに組んで無理のない程度に上下に動かす方法があります。ついでに首も前後左右や回したりするとなお効果的です。ただ、単なる筋肉の凝りではなく、疾患由来の肩凝りもありますので次回お話しします。
【第76回】橈骨遠位端骨折
【2017年2月】
 今回は、お年寄りが転倒して骨折することが多い「橈骨遠位端(とうこつえんいたん)骨折」についてお話しします。受傷機転は転倒して手を突くことがほとんどで、手の甲側に変形したものを「コレス骨折」、手のひら側に変形したものを「スミス骨折」といいます。治療は骨折を整復後ギプス固定となります。
 ただ、若い方でも骨折することもあります。エックス線で骨折線がはっきりしている場合は、すぐに診断できますが、エックス線で異常がなくても押すと非常に痛い場合は「不顕性骨折」のことがあります。
 この場合診断に有効なのが磁気共鳴画像装置(MRI)検査です。「不顕性(ふけんせい)骨折」はそのままにしておくとエックス線でも分かる骨折になることがありますので、ギプスまでは必要ないですが、シーネ(当て木)をすることが必要です。現に当院でもシーネを勝手に外して数週間後にエックス線で分かる骨折になった方もおられます。痛みが強い場合は「不顕性骨折」のこともありますので、早めの受診をお勧めします。
【第75回】「腰椎椎間板ヘルニア」について
【2017年1月】
 脊椎には、椎体と呼ばれる骨の間に「椎間板」というクッションがあります。その椎間板が傷んで飛び出すのが、「椎間板ヘルニア」です。
 症状としては、腰痛や下肢痛、しびれを生じますが、ひどい場合には、筋力低下、知覚障害、膀胱直腸障害(尿・便の異常)を来すこともあります。
 通常は、安静や薬物治療、リハビリで軽快してきますが、筋力低下、知覚障害、膀胱直腸障害がある場合は、治療時期を逸すると回復しないことがあり、その場合は早期の手術が必要になります。
 痛みが強い場合は、皆さん頻回に通院されますが、痛みが減少すると、筋力低下などがあっても、病院に行くことが減ってきます。重度のヘルニアと診断されたら、主治医の先生が「もう来なくてもよい」と言うまで、定期的な受診を続けることをお勧めします。
医療法人 睦会 中内整形外科クリニック
【診療科目】整形外科・リウマチ科・リハビリテーション科
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